とある文具店。
店主様がとにかくやたらに話しかけてくる。
じっくり物色…もとい宝探しが出来ない。
次の仕事の記録用ノートは、この店の マルマンの『ボストン ノート』のB5に決める。
『ボストン ノート』は、表紙・裏表紙ともに硬い造りなので、片手持ち立ち書きの私の理想的なリングノートの条件を満たしている。
この文具店では、商品であるこれらのリングノートのリングが 棚の上で互いに干渉して傷まない様に、キチンと互い違いに重ねてある。
こういうキチンとしたお店には、私にとっての宝物は存在しない確率が高い。
店主様の 必殺話しかけ攻撃 をなんとかかわしながら、什器から頭だけ見えている旧いペン達を引っ張り出す。
「あるねぇ。」
そんな中からこの1本。
【Pentel】
ぺんてる
【万年CIL】
まんねんしる
これはそんなに珍しいモノではありませんが、なかなか縁がなく 最近ようやく見つけました。
キャップ式のシャープペンシル完成型の元祖 かな。
かなりカッチリと嵌まったキャップを抜くと、赤い樹脂製シャープペンシルの駆体が出てくる。
もちろんこれだけで、シャープペンシルとして使えます。
尻軸のドーム状のボタンをノックすると、芯が繰り出されて出てきます。
ぺんてるの M.P は 個体差が少なく、常に適切な長さで芯が出てきます。
私にとって、M.Pは2回ノックで芯がちょうど良い長さに繰り出されるのが選択の条件。
国産M.Pの中でも、私の知る限り ぺんてるのM.Pで、2回ノックで芯が長すぎたり足りなかったり という 使いづらいモノに出会った記憶がありません。
(もっとも 数本から選べる時は、必ず芯の繰り出しテストと、ノック感とノック音のベストな1本又は数本を選択しますが....。)
ここのドーム状のノックボタンの根元部分を分解すると、芯が詰まった時に使う クリーニングピン がちゃんと装備されています。
予備の芯はここから充填します。
この駆体の尻軸部に 抜いたキャップを嵌めると、キャップの頭から 新たにノックボタンが現れます。
このノックボタンを引っ張ると、こちらにはちゃんと消しゴムが装備されています。
キャップはステンレス製ですが、近年ではあまり見かけない加工方法。
樹脂コーティング。
クリアな樹脂でステンレス製のキャップをコーティングしてあります。一時期普及していた方法。
ステンレス製のキャップ(のクリアなコート)はうっすらとあめ色に変色しており、歳月を感じさせます。
実は 見つけた時に、ホコリと汚れだと思っていました。帰って磨いたらピカピカになると。
ところが、拭いてもこすっても、一向に綺麗にならない。
ルーペで観察して、クリアコートに小さな無数のひび割れが入っている事を知ったという次第。
樹脂製の赤い(というか朱色がかっている)駆体の中の中軸(芯ケース)から先端部のチャックまでは当然スチール製。
素晴らしい造り込み。
軸が樹脂製でも 中軸が金属製なので、剛性が高く、ノック感も良い。
もともと、ぺんてるのM.Pはノックの時にカチカチと小気味良い音が鳴るように作られています。
このペンにはぺんてるらしさが出ています。
男の子にとって、このような仕掛けや 形態の変型するさまは、メカニカルなロボットや それに装備されている秘密兵器のイメージ。
イメージを膨らませて遊べる愉しい文具でありました。
【トランスフォーマー】のCGの威力は凄いが、私にとっての『変身ロボット』はこのくらいで充分だ。
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