PENTAX K-r でマニュアルレンズを使う。M レンズ系編
PENTAX K-r , RICOH XR RIKENON 50mm F2
初期型のポイントとなる「 50mm 」と、最短撮影距離を表す「 0.45 」が確認出来るでしょうか。
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PENTAX K-r にマニュアルレンズ ( ここでは M レンズ系 ) を装着して愉しむ方法 ( K-x も同じだと思います。)
私の様に 取説が無いボディを手に入れた方向け。
( PENTAX 本家のページに PDF ファイルがありますがね。充分ではないですよね。)
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※あらかじめ「 C カスタム 4 」メニューの「 22. 絞りリングの使用 」を「 許可 」に設定しておく。
1. マウントに電気接点を持たない マニュアルレンズ を装着する。
2. 電源 ON .
3. SR ( Shake Reduction シェイク リダクション , 手振れ補正 ) のためのレンズ焦点距離の入力を求められます。この場合は 50mm レンズなので 50 にセット。OK ボタン または シャッター半押し で確定。
4. レンズ根元の絞りリングを任意の値にセット。
5. モードダイアルは マニュアルの M にセット。
6. カメラ左舷のフォーカス MF / AF 切り換えスイッチ ( フォーカスモードレバー ) は MF にセット。AF のままではシャッターが降りない時があるので注意。
7. 被写体をファインダーで覗く。
8. 露出補正ボタン + / - AV を押して測光。絞り込み測光 が行われ、絞り値に応じたシャッタースピードが設定される。マニュアルレンズ装着時は 絞り値は [ F - - ] としか表示されない。
9. 必要ならシャッタースピードを 電子ダイアルで調整。
10. レンズのピントリングでピントを合わせる。
11. シャッターを切る。
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補足と解説:
※あらかじめ「 C カスタム 4 」メニューの「 22. 絞りリングの使用 」を「 許可 」に設定しておく。
1. マウントに電気接点を持たない マニュアルレンズ を装着する。
FA レンズなどの絞りリングと電気接点を持つレンズでは、A ポジション以外にセットしてボディに装着すると、電気接点を持たないマニュアルレンズの様に振る舞う。一部違いがある。
PENTAX マウントの電気接点はレンズの焦点距離や開放F値などの情報をやり取りしている。
2. 電源 ON .
3. SR ( シェイク リダクション , 手振れ補正 ) のためのレンズ焦点距離の入力を求められます。この場合は 50mm レンズなので 50 にセット。OK ボタン または シャッター半押し で確定。
SR オフにしておくと焦点距離入力は求められない。が、旧いマニュアルレンズにも SR が効くところが PENTAX の魅力なので、オフにする積極的な理由は無い。
この数値は撮影データの Exif にも記録されます。
4. レンズ根元の絞りリングを任意の値にセット。
5. モードダイアルは マニュアルの M にセット。
マニュアルレンズでは基本的に マニュアル ( M ) モードで撮影しよう。
絞り優先モードは FA レンズ以降の CPU レンズ用のモード。絞り優先モード ではマニュアルレンズ側で絞っても 絞り開放でしか撮影出来ない。
測光の時 ボディはレンズの絞り羽根を動かして、一見 絞り込み測光のような挙動を示すが、実は開放測光。これは PENTAX の意図としては 被写界深度確認操作 なんですね。実に紛らわしいですが、取説には「 被写界深度確認操作 ( 光学プレビュー ) を行うと測光スイッチが入り、露出の確認ができます。」と書いてあります。
マニュアルレンズ装着時には ボディ側はレンズの開放F値が判らず [ F - - ] と表示され、( 仮にデータを入力できるようにしても ) レンズの絞り連動レバーの角度はレンズによってまちまちなので、ボディ側は何段絞ったのか判らない。これは Nikon も同じ。だが Nikon のミドルクラス以上のボディだと もうひとつ仕掛けがあるので露出計が動くが、PENTAX では 測光 は出来るが Nikon の様に 露出計は動かない。したがって K-r では露出補正は出来ない。
だが、エントリークラスの小型の K-r でもマニュアルレンズで測光出来るのが PENTAX の強み。
6. カメラ左舷のフォーカス MF / AF 切り換えスイッチ ( フォーカスモードレバー ) は MF にセット。AF のままではシャッターが降りない時があるので注意。
7. 被写体をファインダーで覗く。
K-r ではライブビューでも同様に絞り込み測光を行うので、マニュアルレンズでライブビューでの撮影も可能。
8. 露出補正ボタン + / - AV を押して測光。絞り込み測光 が行われ、絞り値に応じたシャッタースピードが設定される。マニュアルレンズ装着時は 絞り値は [ F - - ] としか表示されない。
K-r ではグリーンボタンでもデフォルトで測光スイッチが入る。露出補正ボタン + / - AV はマニュアルレンズ装着時にはデフォルトで 被写界深度確認操作 → 測光スイッチ機能 が割り振られており変更不可。したがって K-r ではマニュアルモードでは露出補正は出来ない。
どちらのボタンも同じ挙動ではもったいないので、グリーンボタンには デジタルプレビュー機能 を割り当てるのがおすすめ。K-r では シャッターボタン、露出補正ボタン + / - AV、グリーンボタン は右手の人差し指一本で操作できるので快適。
なお 測光は中央重点平均測光かスポット測光に限定される。分割測光は ボディ側がレンズの絞り値が判らないので 不可能。中央重点平均測光、スポット測光ともに精度は高い。白トビしないような上手い設定。現行の CPU レンズ + 分割測光より使いやすいかも。
9. 必要ならシャッタースピードを 電子ダイアルで調整。
写真の明暗はシャッタースピードでコントロールする。レンズの絞りリングでも出来るが、1/3 段などの細かい設定が出来ないので、素直にシャッタースピード側で行うのが良い。AE-L AEロックは設定に関わらず無効化される。
10. レンズのピントリングでピントを合わせる。
測距点は中央 1 点のみに限定されるがスーパーインポーズでフォーカスエイド可能。また、制限があるが ライブビューのピント合わせも可能。
11. シャッターを切る。
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このように書くと複雑そうだが、慣れると簡単。すぐに慣れます。実際の撮影現場では絞りリングとピント合わせは左手で行いますが、K-r では一連の撮影操作
測光 → シャッター
あるいは
測光 → デジタルプレビュー
が右手の人差し指で完結する。
デジタルプレビュー機能の詳細については別記事に。
絞り優先モードでは露出補正が出来ないと書いたが、露出ブラケットが効くので、3連写で明暗をつけた撮影は可能。RAW で撮影する御仁には必要ないかもしれないが、現場でカタをつけたいならコレもありか。被写体を明るく撮りたい時に、常に露出補正を 1 段入れて複数カット押さえておきたい時にはコチラの方が早い。
マニュアルレンズで3連写 も面白いかも。
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コメント
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実は露出計は動きます。
この前の記事では露出計が動くと書き、この記事ではしつこく露出計は動かないと書いています。
話の展開上、動かないと書きましたが、ペンタックスのデジタル一眼レフカメラ+マニュアルレンズの組合せで、露出計は動きます。
その記事は次回の予定です。が、まだ筆が進んでおりません。。。
次回乞うご期待。
投稿: Hagy | 2021年6月 7日 (月) 20時12分