ニコン FA を救出 その1 / Nikon FA
Nikon FA
( 1983年09月~ )
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Nikon FA を救出しました。
取り敢えず外装をざっとクリーニングしてお披露目です。
結構な汚れ個体でジャンク入りしていたので、電装系がダメなのかと思えました。FA は電磁シャッター機なので、電装系トラブルは致命的ですから、これは避けねばならないか?
モルトはボロボロ を通りすぎてカチカチに乾上がっています。こっちがジャンクの理由か?
M250 と バルブではシャッターが切れました。このあたりの挙動がしっかりしているので、救出に踏み切ったワケです。ニコンの銀塩カメラはタフなのが身上ですから。
報道系カメラマンの要望に応えてシンクロ速度を 1/250 sec. まで上げるために ハニカムパターンで強度を保ちつつ 極限まで軽くした チタン幕縦走りフォーカルプレーンシャッターは、まだ限界まで使い切っては いないようです。
この X= 1/250 sec. シリーズの バランサー付きシャッターの独特の音は健在なようです。
音は機械の調子を診るには最も大事な要素です。ジャンクカメラの見極めには必要な要件です。
私は どうやらストロボマニアなようですから、シンクロ速度 1/250 sec. は譲れません。
口径の大きなレンズで屋外での解放も楽しみたいので、最高速度 1/4000 sec. を達成している小型銀塩カメラを狙っていましたが、良い個体にはなかなか巡り逢えませんでした。
ジャンクカメラでキチンと動くカメラを探す というきわめて難度の高いゲームです。
FE2 あたりを狙っていたのですが、たいてい本当にジャンクだったりします(-_-;)
しかしそれでも人気は高いようで、私がスルーしてもすぐに誰かが持ち帰りますね。私の行動エリアでは。
10 ドルカメラ収集もそろそろ踏ん切りをつけようとしていた私のそんなある日、突然 この銘機 FA に出逢いました。
知っている人は知っていますが、この頃のニコンの銀塩カメラは、フイルムカウンターが「1」になるまで シンクロ速度でシャッターが切れます。この FA の場合は 1/250 sec. でシャッターが切れます。
( 言い換えれば、シャッターは 1/250 sec. でしか切れませんから、動作チェックの時には故障と間違えないように注意が必要です。 まぁ バッテリーが切れていてはチェックにも限界がありますがね。)
これは、フイルム交換時にレンズキャップをしたまま撮影可能状態まで送ろうとすると、AE が効いてしまい長秒シャッターとなってしまうのを防ぐ仕様ですね。フイルム交換時のタイムロスを防ぐプロ仕様です。
レンズキャップを外し忘れるミスを犯すのがプロか?
やってみればわかりますが、レンズ交換はレンズキャップを装着したまま行うのが普通で、次に取る行動は 状況にもよりますが、必ずしも レンズキャップを外す ではなく、
巻き上げて 撮影可能状態にして待機
という場面は実に多いです。だから、レンズ交換時にレンズキャップは必ずしも外しはしない。
室内での撮影では、フイルム交換は暗所で行われますから、AE により長秒シャッターになる可能性は高いですね。
AE の効くカメラでは、フイルムの巻き上げ時にはシャッタースピードを高速側に回しておくのが基本操作なので、その手間を回避しているワケです。
ニコンのこの思想は、実にユーザー本位の仕様です。
この仕様は、知らないとニコンの中古カメラをカウンター越しに購入する時に赤っ恥をかきます。
カメラ店というのは、プライドだけは高いオヤジが跋扈する世界なので、店員さんはやたら教え魔ではやっていけません。客の実力をさりげなく しっかりと見ています。客の出方によってはカウンター越しの真剣勝負になる といえましょう。
このあたりの事情は、他業種ではスポーツジムでも似たような傾向が見られます。
カメラ店という特殊な戦場では、余程の自信がない限り、見栄を捨て教えを乞う姿勢が最も安全に生き抜ける方法です。
すぐにライカと比較するのが最悪の、しかし ありがちなカメラ店のオヤジ客の生態です。
そういう姿勢はみんなキライですが、いつの間にか自分がそうならないように常に自分を見つめ直していきたいものです。
・・・見栄講座 になってしまいました。。。
この FA は電磁シャッターですからバッテリーの入っていない または 切れた状態では M250 と バルブ 以外ではシャッターが切れません。
例によってニコンのカメラはロックが多いですが、ここは難なくクリアして、各種のチェックをしていきます。
フイルム室もOK。チタン幕のハニカムパターンが高性能を訴えてきます。外装は小汚いですがシャッター質内部は美しいです。
やられてしまいそうです。
近くにあったジャンクのマイクロニッコールを装着してファインダーを覗きます。
コイツがいけなかった。不覚でした。
E2 方眼マットスクリーンに換装されていた FA のファインダーから見た マイクロニッコールの世界にノックアウトされてしまいました。
FE2 もしくは FA をもともと欲していましたから、もうお持ち帰り確定です。
ただし、ジャンクのマイクロニッコールには手出しをしない事だけはなんとかセーブできました。私の精神力も強くなりました。(-_-;)
私のジャンクレンズの入手規定を満たしていませんので。
しかし、マイクロニッコールは中古で程度の良いものを入手するという次の物欲ができてしまいました。
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年表を上げておきます。降順です。
1986年04月~ Nikon F-501AF,AF,瞬間絞り込み測光
1986年02月~ Canon T90,MF,TTL ダイレクト測光,調光, SS 1/4000 sec. , X=1/250 sec.
1985年09月~ MINOLTA α-9000(※)
1985年02月~ MINOLTA α-7000(※),AF αショック
1983年10月~ OLYMPUS OM-4 ,マルチスポット測光
1983年09月~ Nikon FA,マルチパターン測光, SS 1/4000 sec. , X=1/250 sec. , マルチモード
1983年03月~ Nikon L35AF ピカイチ,35 / 2.8
1983年03月~ Nikon FE2(※),SS 1/4000 sec. , X=1/250 sec.
1983年03月~ PENTAX Super A,6マルチモード,X=1/125 sec.
(※)は、所有していない。
ニコン FA と オリンパス OM-4 は多分割測光を、別々の方法論でユーザーに問いかけます。
その後のカメラの進化がどちらに向かったか はいずれにせよ、どちらも間違いなく銘機である事には間違いありません。
つづく
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