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2015年9月23日 (水)

minolta ROKKOR-QF 40/1.7,minolta HI-MATIC E / 俺様の名レンズ 第3回

minolta ROKKOR-QF 40/1.7  / 俺様の名レンズ 第2回

2015/09/23 初出
2015/11/23 本文修正


minolta HI-MATIC E(1971年02月~)


レンズ一体型銀塩レンジファインダー機.

なので、まるごとエントリーします。


レンズ先端の黒枠はノンブランドのレンズ保護フィルタを着けています。

---------

レンズは

minolta ROKKOR-QF 40/1.7



この銀塩カメラのポイントは4つ。

1. レンズの性能

この QF=4群6枚のレンズは Web でも評価が高いので、試写を楽しみにしていました。


2. 特徴あるレリーズボタン

ストロークの長いタイプ。こういうタイプは概ね評価が低くなるようです。
私は嫌いではありません。
右示指でシャッターを絞り込んでゆき、リリースする瞬間が指先にわずかに伝わってきます。シャッターリリースの深さは一定なので、慣れればどこでシャッターが切れるかはすぐ判ります。
絞り込みは指先で行い、絞りの大きさとリリースはCDS素子のセンサーと演算と電磁式シャッターが行っている。
レンズシャッターを指先でコントロールする感じがクセになります。


3. レンズシャッター

これは、このカメラに限った事ではなく、レンジファインダータイプのカメラ全てに当てはまる事だ。
歴史的には、レンジファインダーカメラの方が先で、価格も安かった。何と比べてか といえば当然 一眼レフカメラだ。
普通の庶民にとって、一眼レフカメラは高嶺の花であった。
レンジファインダー → 一眼レフカメラ
と、まるで当然の進歩であるかのように移り変わる時代であった。
それはまるで、レンズシャッターがフォーカルプレーンシャッターに劣るかのような錯覚に陥れられる感じだ。シャッタースピード競争ではフォーカルプレーンシャッターが絶対的に有利だ。
だが、決してそれだけではない と この minolta HI-MATIC E は教えてくれる。
レンズシャッターとフォーカルプレーンシャッターの決定的な違いは撮像素子に対する露光時間の均一不均一の違いである。

レンズシャッターは,絞りとシャッター(実際には同一パーツ)が,中央から開いて,その時の最大値まで開口して,中央で閉じる.
対してフォーカルプレーンシャッターは,上下あるいは左右にスライドしながら開口し,閉口する.お判りになるだろうか.

したがって,

レンズシャッターは撮像素子の露光時間は中央部が最も長く,周辺部が短い.
撮像素子面の露光時間は不均一である.

フォーカルプレーンシャッターは撮像素子面の露光時間は理論上は一様に均一である.
(実際にはスタートとエンドでは速度に若干の差がある.)

ここがレンズシャッター機の「味」となるのだ.曖昧なものでは決してない.
レンズシャッターとレンズの性能が区別なく一様に語られている場面が多い.


4. AE

自動露出が優秀。



さて、作例をいくつか



minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100


記念すべきファーストショットは夜景。

この輝度差を全くものともせずに綺麗に写し取っている。あえての FUJICOLOR 100 である。流石である。ボケも自然である。
玉ボケが丸くないのはご愛嬌。






minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100


ここのシーンを写し取れるカメラはめったにない。しかもただの(と言っては申し訳ないが、) FUJICOLOR 100 である。

暗闇に壁面の白熱灯色系のライトと奥の蛍光灯の光である。
実際にはここまで明るくは無いが、再現性は高い。これならあとから写真をみてがっかりしない。
スローシャッターで手ブレしているが、手持ちで無造作にシャッターを切っただけである。もちろん手ブレ補正などついていない。三脚を使えばもっと鮮明に写し取れることは間違いない。
暗所でのEEの効かせ方は素晴らしい。




minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100


地下鉄のホームである。
蛍光灯直射と赤色LEDのライトも同時に写し取っている。さすがに蛍光灯は白飛びしており、フレアも見られる。色収差はきわめて少ない。

私にとっては定点撮影のこのポイント。ここまで綺麗に写し取るとは驚異的である。
立体感はまずまず。色再現性は良い。
EE の高性能ぶりも大したものだが、レンズが良い事が判る。

室内や暗部では体感露出が効きにくいが、この Hi-Matic E なら何の心配もいらない。

信頼できるサブ機になり得たのではないだろうか。



一転して晴天屋外。



minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100

ソテツの葉の光線の反射具合、立体感も合格。歪曲は目立たず。
右手前の前ボケはまずまず。
ここはレンズシャッターの良さが発揮される場面。
日の丸構図にはむしろ強い。

色味は



minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100


発色は濃い目。この色味は好みではない。シャープネスも今ひとつ。
解像度の低さは現像所任せの 1800×1200 程度なので致し方なし。

このカメラはリバーサルでリトライする価値がある。






minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100


このカメラの というより EE システムの欠点が見えてくる。

前ボケ後ろボケは問題なし。だが、こういう平坦な色味は EE が判定しづらいらしい。

被写体も条件が悪いが出来も悪い。
FUJICOLOR 100 の問題かもしれない。やはりリバーサルが必要かな。





minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO100,AE,FUJICOLOR 100



一転してまるで人物や顔認証システムでも持っているかのように感じる。被写体はヒトではないが。

ガソリンタンクとサイドカバーの質感再現は申し分なし。
背景のボケも自然。

こういう風に撮ると無難にまとめてくる。

家族旅行、観光、小人数の記念撮影に向いたセットアップである。ポートレイトも良いかもしれない。
日の丸構図に強い。

このカメラは自動露出オンリーなので撮影者はピント合わせのみ。




遠景は



minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO64,AE,FUJICOLOR 100


SPD素子 CDS素子 の感度が低下しているのかもしれない。
ISO を 64 に下げて色味が記憶色に近い。






minolta HI-MATIC E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7
ISO64,AE,FUJICOLOR 100


ソレっぽい写真で締めくくろう。



機械的な欠点として、巻き上げレバーが弱い点と、サイズの割りに重量がある点を上げておこう。約 540 g もある。もう少し軽いともっと良い。


総括:

minolta HI-matic E / minolta ROKKOR-QF 40/1.7

名機の誉れも高いが、さすがに万能の巨人ではない。用途を考えれば最高のサブ機となろう。私的にはメイン機にはならないのが残念。


フイルム1本目の試写でここまで撮れたので、潜在能力は高い。

リバーサルでリベンジする予定。

--------------

俺様の名レンズ,無差別級ランキング

1位
Canon EF 50mm F1.8 Ⅱ

2位
minolta HI-matic E
minolta ROKKOR-QF 40/1.7
(ネガフィルム)

3位
MINOLTA AF ZOOM 35-70/4

   
   
   

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2015/09/23 初出
2015/09/24 SPD素子→CDS素子に訂正
追って本文訂正予定

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