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2014年9月

2014年9月16日 (火)

DMC - FZ1 / 世界一わかりやすいカメラミエ講座 第10回 その2

DMC - FZ1 / 世界一わかりやすいカメラミエ講座 第10回 その3


2014年09月16日初出
2014年09月21日加筆

世界一わかりやすいカメラミエ講座 第10回 その2 デジタル編


冒頭の写真は,

Panasonic  Lumix DMC - FZ1

パナソニックが あのライカとタッグを組んだ大口径レンズズーム一眼コンパクト機の初号機.

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今回 覚えておく単語
「バリオ エルマリート」

ただし、使う必要はありません。

ちなみに「バリオ エルマリート」とは、世界最高の称賛を欲しいままにしているあの ライカ のF2.8 のズームレンズの名称。
F2.8 は、ズームレンズとしては充分に明るいレンズです。
ライカのレンズはそれぞれに名前がついている事を知っておきましょう。
でもこれを読んでいるあなたは、エルマー,ズマロン,ズミクロン,・・・などというむずかしい名前を覚えていなくても、「バリオ エルマリート」 これだけを覚えておけば大丈夫。ただし、「銘玉」といわれる特別なスゴいレンズではないので,むやみに人前で使わない方が良いでしょう。



今日の決め台詞

「ライカのレンズだからね。」



バッグから無造作に取り出して、サクッ と全景を切り取り、細部は自慢の12倍ズームでしっかり記録して、バッグに無造作に放り込む。

高級コンパクトでは恐ろしくてできません。でもこれなら元手はたかだか知れています。
コンデジにしてはレンズが大きいこのカメラは、コンデジとPCで誰でも何でもできます的な軽薄な周囲の視線を引く事は間違いありません。

みんなの写真を撮る時に、気になるあの娘のアップを「綺麗に」ちゃっかりいただくことも簡単です。

集合写真を撮る役割が回ってきたときに、「あんなカメラで大丈夫なの?」と冷ややかな囁き声を耳に感じながら、(オバサマ達は意外にマトを得ているものですよ。小さいカメラと大きいカメラの差くらいはわかってしまいます。)冷や汗をかいた事はありませんか。
このFZ-1 ならレンズが大きいので大丈夫です。

大丈夫ですよ。ライカのレンズだからね。」

これで決まりです。

ただし、35 mm と画角は広くはないので、数十人の集合写真は辞退しましょう。

実際に持ってみるとわかりますが、ライカのカメラはレンズだけでなく、躯体の質量、質感が全くの別次元のものです。
もし隣に、EVF を付けたライカ D-LUX5 を持った湯川准教授が現れたら,主役の座は笑顔でゆずりましょう。

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これはいつものカメラ店のジャンク棚に乗っていた.一見すると古くて使えないコンデジの様相であった.

やつれたカバーとストラップとオリジナルのレンズキャップが括ってあり,どうにも拾いあげたくないような状態であった.

ただ,パナソニックライカのゴールドプレートが存在を主張していた.私の眼は一瞬で反応していた.人間は「記憶」でモノをみている.初めて見るものを認識するには相応の時間がかかるが,過去の記憶に刻まれたモノはだれでも一瞬で見切れるものだ.だから「ロゴ」は大事なのだ.

相当に愛用されていたようだが,キズはほとんど見られないところから,大事に扱われた個体のようであった.
前玉にキズはないが,ヨゴレはひどい.

価格はたったの 10 $. 電源は入らなかったが,バッテリーは入っていた.他に同梱付属品はもちろん 無い.なによりチャージャーが無いのがイタい.しかし,私はパナソニックのチャージャーをいくつか持っていた.どれかが使える気がした.ここは賭けてみる.

何よりこのレンズは魅力的だ.しかもこのレンズにこの価格は失礼な事 この上ない.



連れて帰ってからバッテリチャージャーが合わない事が判明した.10 $ に 数10 $ の投資は痛い.この時ばかりは中国大陸製の同等品に感謝した.10日ほどその到着を待っていた.

バッテリーをチャージする.3時間弱.バッテリー,チャージャーともに 特に異常な発熱はみられない.機体に装填し,電源を投入する.

機体は即座に反応し,液晶モニタに明かりが灯る.メモリカードを入れないと,試写すらできない.SDHCには当然対応していない.2002年11月発売である.手持ちの128MB のカードが役に立つ.

レンズキャップを付けたままだとレンズは沈んだままだ.液晶モニタの指示通り,再セットする.


自慢のレンズが伸長してきた.何年くらい眠っていたのだろう,内部で渋ってスムースに動けないのか?  ズームレバーに反応できないらしい.インナーズームなのでその長さは変わらないが,液晶モニタがズームしていない事を告げていた.

これが動かなければ,賭けに失敗した事になる.


しかし,数度のトライアルでズーム機能が動きはじめ,FZ-1 は その機能を徐々に取り戻してきた.

フルオートデジタルなのだが,こういう機能はヒトの手がダイレクトに操作する代わりにアクチュエータが代行しているだけで,やはり「機械」であった.光学12倍ズームはデジタルズームよりはるかに「ヒト」に近い.

試写するまでに数週間かかった.意外にてこずったがその間も存分に楽しませてもらった.発掘系の私には充分にモトが取れている.


後継モデルが次々と登場しているが,試写してみて その実力が今でも充分に通用する事がわかった.コイツの系譜はデジカメのある時期の歴史だ.
初号機を設計陣がほぼ理想通りに構築し,その後はメーカーの打算でマイナーチェンジしてゆくのだ.マイナーチェンジでは機能低下もあったようだ.コイツはその記念すべき初号機である.

参照いただきたいページがある.

ここからは深いので,面倒な方は読み飛ばしていただきたい.

---------

ここに興味深い知見がある.

「ノイズレシオ」がそれである.
興味を持たれた方は,ご自身のデジカメで検証していただきたい.
非常に有用なので,提唱者の許可を得て,ここで引用させていただく.
http://nice.kaze.com/dmc-fz30.html


おおむね 400 以上なら使えるレベルだということだ.


撮像素子のセルサイズは大きい方が光を充分に受けられる.小さな面積に多くの画素を詰め込むと必要なサイズを取れない.
小さなセルでは光があふれるということだ.両者のバランスが大事であるとの主張である.
セルサイズは概ね 3 μm は必要,というのが管理者氏の経験値だ.

数式は表記を変えさせていただく.

式1.
セルサイズ = k × C / √P

k:定数,108
C:CCDサイズ,1インチ=16 mm (※ 1インチがなぜ 16 mm なのかはここには書かない.)
P:有効画素数(単位,1 EE 4 )

3 μm 以上が望ましい.


式2.
ノイズレシオ = C^2 / P × 1 EE 6

C:CCDサイズ,1インチ = 16 mm
P:有効画素数(単位,1 EE 4 )

概ね 400 以上が「使える」レベル.



式2.の数値が大きいほどノイズが少ない.トリミングして拡大してもノイズが出にくい,ということになる.


冒頭写真の パナソニック DMC - FZ1 は提唱者がすでに検証されている.
488
である.これはコンデジクラスではかなり優秀.

マイクロフォーサーズのパナソニック ルミックス G1
1469

APS-C の Nikon D70
5136

となっている.



では,コンデジでは最高のプライズを欲しいままにした知る人ぞ知る フジフィルムのファインピクスはどうだろう.
FinePix F30,FinePix F31fd
CCD:1/1.7,有効画素数630万画素.

ノイズレシオは
549
と,コンデジではトップクラスである事が証明される.
これを超えるコンデジはその後も登場していないかもしれない.


ちなみに,35 mm 換算でのフルサイズ機はどうなのだろう.もちろん私は持っていないが,

キヤノン EOS D MARK
CCD サイズは 24
× 36 なので 2.7型(インチ),画素数は 2110 万画素

3455


フルサイズ機 危うし.


これは何を意味するかというと,
APS-C の Nikon D70 と 35 mm フルサイズのEOS 5D MARKⅡ で比較すると,
EOS 5D MARKⅡ は,大きめに引き伸ばして出力した写真の細部まで詳細にみえるが(画素数の多さ),
切り出して拡大すると
,APS-C の Nikon D70 よりノイジーになる.ということだ.


最も,デジカメ設計陣は
セルサイズと画素数のバランスをわかってきて,画素数競争から方向転換している.


それでは,35 mm フイルムを デジタルに置き換えると,どうだろうか.
CCD に置き換えると 1500 万画素くらいといわれている.


ノイズレシオは

4860

概算ではあるが,フィルムの優秀さが垣間見える.しかも数値化しにくいが,フィルムは連続データだ.デジタルは連続データではないので,「無いものは無い」のだ.


ここに測定用の 7000 万画素 というデジタル機があるが,PCモニタで拡大するとノイズだらけで結局は使えない場面が多い.
フィルムの方が見やすい という意見は私一人ではない.
もっともこちらはシステムが違うので,一様に比較はできないが.

---------

最後に,冒頭のPanasonic DMC-FZ1, ライカレンズ の12倍ズームの威力をお見せしよう.

補正なし,リサイズのみ.

雨上がりの曇天

まずは広角 35 mm

F5.6,ISO 50,焦点距離 35 mm,SS 1/250s

全域 F2.8 だが,フルオートながら設定で F5.6 に絞っている.2メガ ( = 200万画素 ) なので,八木アンテナの詳細はさすがに厳しい.

中央の煉瓦色の建物の手前,画像の中心に CSアンテナがある.自慢の12倍ズームを披露する.手持ち.

F5.6,ISO 50,焦点距離 420 mm,SS 1/640s

なかなかやるではないか.



中央の建物のトップの八木アンテナにフォーカスすると,

F8,ISO 50,焦点距離 420 mm,SS 1/800s

なかなか使える.これで 10 $ は安い.

デジタルも面白い.

   
   
   
   

2014年9月 3日 (水)

MINOLTA SR-T 101 / 世界一わかりやすいカメラミエ講座第10回

MINOLTA SR-T 101 / 世界一わかりやすいカメラミエ講座第10回

2014年09月03日初出
2014年09月07日加筆


世界一わかりやすいカメラミエ講座 第10回

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35 mm MF一眼レフ SR系ボディ
MINOLTA SR-T 101 最新モデル.(最終モデルともいう.復刻版ではありません)

ナゾのレンズを装着しています.もちろん キャノン のレンズは装着できませんが,今回はレンズキャップだけ・・・ではありません.キャノン所縁のズームレンズ.SRマウントなんです.サイズが合ったのでキヤノンのレンズキャップを装着しています.

え. このヒントでわかったアナタはもはや...

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ある日,スケジュールにポッカリ隙間ができた.往復の移動時間を考えれば滞在時間は15分だ.
いつものカメラ店ではない少し遠方のカメラ店に急ぎ足で向かう.

到着するやショーケースを見回す.が,ウェブで目星を付けていた目的のモノがない.問うてみると昨日売れてしまったという.
失意のなか,せっかく来たのだから と掘り出し物を探す.

入口付近の通称ジャンク箱からコイツをつまみ上げた.


一口にジャンクと言ってもいろいろあり,カゴに何でもかんでも放り込んである部品取り用のジャンクから,
動作未確認イコール動作保証なし通称「研究用にお使いください」扱いの棚 というのがある.
店主がチャチャッと使ってみて,不具合を感じたら ショーケースではなく こちらの棚に振り落とされるのだろう.
この機体は後者の「棚」から発掘したものだ.10 $ であった.


整然と並んだ機体の中からいくつかピックアップしていたが,コイツとは目が合った.

ペットショップの子犬と同じだ.自分の可愛さを精一杯アピールしてくる.早くここから連れて行って欲しいと.必ずあなたのお役に立ちますから と.

私は 入ってはいないフィルムを巻き上げ,レンズもついていない SR-T 101 を構えてシャッターを切った.

私の心は90%決まった.コイツはジャンク品ではない.


「お前はここにいるべきではないな。」

「必ず良い仕事をしますよ。私はパーフェクトです。」


裏蓋を開けてみる.内部は綺麗であった.大切に保管されていたようだ.前の所有者(か あるいはその家族)に感謝だ.この SR-T 101は,良い家で過ごしてきたらしい.おそらくワンオーナーだろう.


これに合うレンズを探した.勿論 自宅には何本もあるが,いくら私でも当然持ち歩いてはいない.

単焦点がなかったので SRマウントの謎のズームを手に取った.マクロ機能も付いている.
操作感がなかなか良いので,このレンズは別稿で書く.

大振りで重量級の  SR-T 101 は,そのボディで 長めのやや軽量化されたズームレンズを装着してなお落ち着いている.

慣れぬレンズを操作してみるとこちらもなかなか良いのだが,それすなわち SR-T 101 の素性の良さをあらわしていた.

追針式の露出計はピクリとも動いていなかった.これがジャンク扱いの理由だろうが,わずか 10 $ のジャンク品のバッテリーケースをチェックするような野暮なことはしない.

レンズとセットでお持ち帰りだ.
マクロが使えて便利そうだ.
(ズームレンズは 5 $ だった.)


帰路で使用バッテリーをスマホで調べる.MR9(H-D) 水銀電池だ.現行品ではないので,代替品をチェックする.先達に感謝だ.
補聴器用の PR44 空気亜鉛電池が安価で入手が早い.

もう仕事に戻らなくてはならない.


日をあらためてバッテリーは確保した.スペーサーはまだだ.内径 11 mm-外径 15 mm の水道用パッキンが安いが探しに行く時間がない.

また日をあらためて,いつものカメラ店で MRB625 空気亜鉛電池 をみつけた.先日の記事がそれだ.電圧が 1.33 V で オリジナルの MR9(H-D) 水銀電池と同じだ.最も動作が安定している可能性が高く,露出計のチェックに最適だ.

またまた日をあらためて,いよいよバッテリーケースを開けてみる.V625U アルカリ電池が入っていた.アルカリ電池の液漏れは起こっていなかった.内部は綺麗そのものであった.ここまでは良かった.
私は SR-T 101 を所有するのは初めてなのだが,なぜかこの電池に違和感を感じた.

開封した MRB625 空気亜鉛電池 を入れてみる.構えてみると,露出計の針はピクリとも動かない.
・・・ 壊れているのか?
バッテリーケースの蓋の裏のシールを見てみると,電池の方向が 出てきた電池と逆方向のようだ.
どちらが正しいのだろう.バッテリケースの構造と電池の関係性を考えてみる.
電池を正しい方向に入れ直してみる.

指針は動かない.


気を取り直して MRB625 空気亜鉛電池の説明書を読む.30分かかると書いてある.
この空気亜鉛電池,シールを剥がして空気と反応して発電するのだ.実際には電圧が安定するまでに30分かかるということだろう.
・・・電池の表裏を再確認して,数分間 待ってみる.いや2分も待っていないかもしれない.

再度,窓外の光に向けて構えてみる.

露出計の指針がやや不安定ながら動き出した.動きがやや鈍重なようだが,明暗に反応する.ASA ダイアルにも絞り環にも反応する.繰り返し,明暗の差をつけて指針を動かしてやる.指針の動作が安定してきたようだ

完動品であった.

あの時感じた違和感の理由がわかった.電池が逆に入っていたのだった.あの店のチェックミスであろう.日常的に多くの中古機を扱っているプロのミスを誘発したのは,油断か疲労だろう.


こうして この SR-T 101 は私のところにやってきた.
残念な事に,まだ試写に行く時間がない.

MC W.ROKKOR - SG  1 : 3.5   f = 28 mm   Φ 55 を装着して試写してからレポートする.その時にその雄姿を写真におさめておこう.

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MINOLTA SR-T 101 の斜め右サイドからの見返しの 美しいペンタプリズムの角度.同時代の中では秀逸のエレガントなデザインだ.写真ではやはりなかなか伝わらないのが残念.
ミノルタのこのロゴは やはり素敵だ.

ロゴの下で CLC 測光 (上下2分割測光) をアピールしている.中央の赤い点は隠しネジのカバー.非常に上手い.
ダイアルの加工も美しくそして使いやすい.
この時代の日本の工業製品の質の高さをうかがわせる.
人類はこういった製品をもう作ることができないのだ.残念なことである.

この写真は,入手後何もしておらず,磨いてもいない状態である.

MINOLTA SR-T 101 / 世界一わかりやすいカメラミエ講座第10回

ミラーアップノブがないこれは最終モデルである.長く作られた機体なので安心だが,旧い機種なので,最終型は最新型なのでこれから長く付き合いたい私には好都合だ.

黒い機体が人気が高いようだが,こと中古機体に関しては私は嫌いだ.よほど綺麗なA級品でなければ.
黒ボディの白いロゴペイントは黄ばんでいるものが多く,
散々使いこなして地金が出てきて「味」と感じるのは新品から使い込んできたオーナーのみが感じられるものであろう.
使い込んだ茶色の皮革のバッグの「味」など,他人からみればただのヨゴレでしかない.


さて,長文になってしまったので,世界一わかりやすいカメラミエ講座 第10回 は,その3 から続きを行う.

その前に その2 で履修しておくことがある.



 
 
 

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