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2013年1月11日 (金)

日米関数電卓対決 本編6・ラストアンサーとプリアンサー / CASIO fx-375ES

日米関数電卓対決 本編6・ラストアンサーとプリアンサー / CASIO fx-375ES


マイナーチェンジしたカシオの関数電卓

fx-375ES



私的に興味深いのが,プリアンサー PreAnswer 機能である.


一応 ここで定義しよう.
カシオは 【アンサーメモリ】 と 【プリアンサーメモリ】 と しているが,
ここでは慣例と過去記事からの流れがあるので それぞれ
【ラストアンサー(メモリ)】 と 【プリアンサー(メモリ)】とする.


プリアンサー は ラストアンサー のひとつ前の答えだ.

当然 この機能により,2つ前の数式の解を,裏ファンクションのメモリストアキーを使ってわざわざメモリにストアしなくても利用できる.
チャッチャとやるには便利だ.履歴の利用が困難な国産機の補完的機能といえる.


カシオはそのマニュアルにおいて『更新』という二文字で,煩雑な説明を上手く回避している.
初学者のユーザーに優しくないのは相変わらずだ.


では,ラストアンサーとプリアンサーが『更新』されるのはどんな時か.
答えは簡単.

数式を評価した時

だ.  具体的には以下のように [ = ] キーが押された時 と,同等のコマンドを与えた時 だ.

・[ = ] 打鍵.

・メモリストアの [ STO ]  [ 変数メモリキー ] 打鍵.

・メモリリコールの [ RCL ]  [ = ] 打鍵.(← [ = ] を押していますね.)



メモリリコールは本来 メモリの内容を確認するためのものだ.


周知のように カシオはメモリストアのルールとして

[ STO ] [ 変数メモリキー ]



これまでの数式を評価してメモリにストアせよ.

としているので,[ = ] 打鍵しなくてもラストアンサーを書き換える.
この場合 当然 プリアンサーも書き換える.


そしてメモリリコールで数値を確認する時には ラストアンサーを書き換える道を選んだ.

これによりマルチメモリ機のメモリ内容確認と,ラストアンサーの利用は相容れない事になってしまった.
シャープの数式通りのように,リコール時に 解答エリアにメモリの中身を表示すれば済む事だと思うのだが そんなに難しい事だろうか.



思えば2行表示の数式通り入力方式の 少なくとも fx-290-N (350 がその前のモデルだそうだ.)の時に(プログラム電卓ではさらに以前から),カシオ開発陣はメモリリコール

[ RCL ] [ 変数メモリ ]

を押すとディスプレイの数式エリアに

[ 変数メモリ ] [ = ]

と表示した.この時,[ = ] のプロセスは走っていない.
これはある意味 正しいアプローチだったが,肥大化して風通しが悪くなっていた組織としてのカシオ内部では,開発陣の意図を正しく掌握していなかった事が明白である.
私の知る限り,通常の演算で 数式通り方式の数式エリアに [ = ] は表示されない.
ここに [ = ] が表示されている時はラストアンサーを書き換えていない とマニュアルに表記すべきだったのだ.
この時点ではソフトウェア開発陣はなんら間違いをおかしていなかったのだ.
ソフトウェア開発陣とマニュアル製作陣の遊離がバグ問題を生んだ本態だろう.
組織としてのカシオ内部の者達でさえ,開発陣の意図も,開発した関数電卓の正しい使い方さえも知らない状態だったと推測できる.
そしてカシオはメモリリコールでラストアンサーを書き換える道を選んでしまうのだ.



さて,日本人(あるいはカシオの関数電卓開発者か?)は よほど せっかち なようだ.

しかし その場でチャッチャとやるにはラストアンサーキーで良いが,あれこれやってしまうとラストアンサーメモリもプリアンサーメモリも『更新』されてしまう.
この思想は [M+] に似ている.中身が見えないまま中身が変わってゆくのだ.

国産関数電卓のメモリで,鶴の恩返しを連想するのは私だけだろうか.

決して中を覗いてはいけないのだ.

もちろんプリアンサーを持たない旧機種ではラストアンサーの明示的な使用( [ ANS ] [ = ] )は可能だった.

新機種では,ラストアンサーを明示的に使うとプリアンサーが更新されてしまう.



ただ,工夫をすれば,ラストアンサーとプリアンサーの内容を確認できて,さらにエクスチェンジキーのように,ラストアンサーとプリアンサーの数値を何度でも入れ換える方法はある.答えは簡単だ.実機が手元にあったらやってみてほしい.


それが必要か否かは別として,ラストアンサーやプリアンサーを使いこなすにはこのくらいの知識は必要だろう.



ちなみに,カシオがラストアンサーを非常に大事にしているのは変わらず,

電源オフや [ AC ] キーではラストアンサーもプリアンサーも消えない.
電源をオフにしても,2つの解の履歴だけは残る.



プリアンサーで少しだけ使い勝手が良くなったが,履歴を自在に再利用できる TI 関数電卓の使いやすさとわかりやすさの敵ではない.

TI の勝利.


   

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