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2011年12月22日 (木)

[10n]キーの扱い その2 / TI-30XS の欠点は?

[10n]キーの扱い その2 / TI-30XS の欠点は?
     

はじめに結論.
     

TI-30XS の欠点はやはり,指数入力専用キー [EE]キー を実装していない事である.
     

log の逆関数[10n]キー(←[10のx乗]キーを本稿ではこう表現している)の扱いに関しては少しやり過ぎなのかミスなのかは不明.
    
    
    


本稿では,以降は数式を表示しやすくするために例題を簡潔にする.
   

例題の条件
指数入力専用キーを [EXP]キーと表現する.

例題
指数表示の大きな数を,同じく指数表示の小さな数で割る.キーインは以下.
[6][EXP][2][3][÷][1][EXP][-][1][9] (例題1- 2)
    

期待される値は
[6][EXP][4][2](←6×10^42)
とし,これを正解とする.
     
 
[6][EXP][4](←6×10^4)
を不正解とする.
    
    
 

ここでいくつかの事実を列挙 する.

    
     
・TI-30XS では,[6][10n][2][3] とキーインすると,[610の23乗] と認識をしてしまう.
    
    

・TI-30XS は, [10n]のキーインと [1][0][^][n] とを区別していない.または出来ない.
    
     

・hp 35s のALGモード(数式通り入力)で [10n] キーを叩くと現れる表示,ALOG開き括弧.
     
[6][ALOG][数値][enter]
の入力にはもちろんエラーを返す.後置関数記号の前には当然演算記号が必要.省略は許さない.流石のhp.
       
     

・ [6][×][10n][2][3][÷][1][×][10n][-][1][9] (← この [10n] キーは, [log] キーの裏にある10のn乗キー. )
と入力すると,私有の(おそらく)全ての関数電卓は正しく不正解を返す.
    
    

・[10n] キーのn乗部に,CASIO,SHARP,TI 及び hp と, おそらくほとんど全ての関数電卓は,変数メモリからの数値の代入を受け付ける.
    
    

・[×10n] キーのn乗部に,CASIOは変数メモリから代入すると構文エラーを返す.(CASIO の [×10n]キーは同社の指数キー[EXP] の表示が変わったものである.)
    
    

・一方の TI-30XS は [×10n] キーの指数部に変数メモリから数値の代入が可能である.
    

    
・TI-30XS の2007年度版マニュアルのP16には,
[×10n] is a shortcut key to enter a number in scientific notation format.
と記載されており,それ以外の記載はない.
    
    

・HP-35s のALGモードでは,
[10n]キーに変数メモリからの数値の代入を許可し,
指数キー[E]のn乗部への変数メモリからの数値の代入にエラーを返す.
    
    

・[EXP] キーを持つ関数電卓は,指数部への変数メモリからの数値の代入にエラーを返す.
    
    


これらの事実から,

・関数電卓の基礎部分であるところの[log]キーと,その逆関数[10n]キーの中身は全ての関数電卓において(四則演算キーと同様に)等しく同じであろう.ただし,TI-30XS の [10n]キーは唯一挙動が異なっている.

・おそらく現行機種付近の全ての指数入力専用キー[EXP] は,変数メモリからの代入にエラーを返すだろう.
     

・マニュアルの記載とその挙動から,
TI-30XS の[×10n]キーは指数入力専用キー[EXP]キーと同じではない.
という事が言える.
    
    



TI ベースの環境から見ると30XS の [×10n]キーは不具合ではなく,むしろ正しい挙動である.

一方のCASIO環境ベース側から見ると,TI の[×10n]キーは あたかも不具合のように見える.のである.
    

北米のルールに従って正しい答えを吐き出しているのだが,無理やり異国に連れてこられて不具合呼ばわりされるのは 30XS が可哀想である.
ただ,指摘するならば,[log]の逆関数[10n] キーの挙動は明らかに不自然ではある.(この点は後述する.)
     

欠点と言われても仕方がない点は,指数入力専用キー[EE]を持たされなかった事だ.


     

     

さてこうなると,CASIOは連綿と続いた [EXP] キーを, なぜナチュラル入力タイプから [×10n] キーという表現に変えたのか?
が気になる.
    
    



以下はフィクション
    

あるストーリー
場所は北米.A社は関数電卓のシェアをB社から奪うべく今日も奮闘していた.
A社
「教育的見地から、30XS にはあえて指数入力専用キーの[EXP]キー([EE]キー)を置かず、ショートカットキーとして [×10n]キーを使おう。これでユーザーに指数対数を正しく理解してもらおう。」
     
     

C社US法人
樫山開発室長(仮名)と
尾竹開発室主任研究員(仮名) の会話

樫山
「世界のマーケットを制するには、まずは北米マーケットをA社から奪う事だ。勝算はあるかね?」

尾竹
「A社の製品にはウィークポイントになりうる要素があります。そこにダメージを与えるには当社の製品のあの部分をこれに変えるのです。そうすれば、A社の製品は不具合に見えるでしょう。」

樫山
「なるほど。そう変えると確かにそう見えるね。」

尾竹
「万が一 我が国に攻めいってきた時のために、本国製品もこれに変えましょう。」
     
     
     





後述部分

一般的な[log]の逆関数[10n]キーの挙動を,仮にここではCASIO方式と名付けよう.

対する TI-30XS の[log]の逆関数[10n]キーをTI-30XS 方式と名付ける.
     

TI-30XS 方式は,決してバグとは言えない.間違ってはいない.TI らしく表示通りに正しく解答する.

しかしながら,どうしてもこれ以上救ってやる事ができない.
TI-30XS のクラシックモード(2Lines の所謂数式通り入力タイプモード)ではCASIO方式と同じ挙動となっている.

MathPrint モード(所謂ナチュラル入力タイプモード)では, [10n]を一つの関数として扱わず,[1][0][^][n] のキーインの事実上のショートカットキーである事は狙いなのか?ミスなのか?


私は,この[10n]の扱いに関しては改修されるべき と考える.
     



答えは TI-36X Pro が教えてくれるだろう.



 
   

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Calculators」カテゴリの記事

コメント

http://www.amazon.com/review/RI9CPKAEFMA6S/ref=cm_cr_pr_cmt?ie=UTF8&ASIN=B000PDFQ6K&nodeID=&tag=&linkCode=#wasThisHelpful

amazonではもう1年前にTI-30XSのstupid buttonについてレビューされていました。
いつもつくづく思うのですが、USAmazonのレビューをする人たちはすごいです。

余程の自信と確信がなければAmazonには書けませんね。私などは自分のブログがせいぜいです。
コメントと情報提供ありがとうございます。リンクまでしていただいたので早速見てきました。
今回頂戴した情報をもとに改めて記事を一本書かせていただくつもりです。(私の英語力では即座に完全に理解できませんので。)
私のブログの Calculators の記事は、素人から見た関数電卓のあれこれを記録しておくのが基本コンセプトです。なので、実は先入観にとらわれないようにあまり下調べをしておりません。
ただ、基本的な常識を外れないように、私が関数電卓にハマるきっかけとなったあのページだけはチェックしています。(ここでは名称は上げません。)
私がちゃんと理解出来ているか否かは別問題ですが。

当ブログの記事の内容は、後進の方々にいくらかでも役立つように、日本語検索エンジンの上位に上がっていない情報を書くようにしています。
改めて記事を書く前にただ一つだけあげておくとすれば、当該レビュー自体は評価されるべきものですが、あまりに遅い動きだと言わざるを得ないと思います。
過去記事に書きましたが、私有の 30XS のマニュアルは2007年度版。内部には2006年の記載事項すらあります。発売時期を知りませんが、2010年までの数年間 米ユーザーは何をしていたのでしょうか。
フォーラム等でもっと早く指摘されている事と思っていました。(されているかもしれませんが。)
上げるべき声は早くしっかりと上げるべきでしょう。

ネットから隔絶された年末の激務のため、返事が遅くなりまして、失礼致しました。

もちろん コメントを下さった方に対するという意味ではなく、少々の驚きがこのような表現になっている事をご理解下さいませ。

http://www.amazon.com/review/R3Q65S0N20QX1E/ref=cm_cr_pr_cmt?ie=UTF8&ASIN=B000PDFQ6K&nodeID=&tag=&linkCode=#wasThisHelpful

2009年12月のレビューがありました。たぶんコレがEEキーがないことについて言及した最初のレビューです。

レビュアーがこの件について記述したところ、指数は括弧をつけて表記するのが正しい、という意見が出ました。

さらにそれに対して元のレビュアーから、「*10^n」キーを使う不利な点として、無駄な表記が必要であるという反論が書かれています。でもレビュアー自身も式の構成としては、括弧を使って「*10^n」を記述することが正しいと認めているようです。

しかし電卓という限られた表示領域を生かすためには指数表記に「E」を使うほうがよいという意見は非常に理にかなっていると思えます。

情報提供 ありがとうございます。
2009年12月のレビューがUSAアマゾンに残る最も早いレビューなのですね。

>しかし電卓という限られた表示領域を生かすためには指数表記に「E」を使うほうがよいという意見は非常に理にかなっていると思えます。
まさしくその通りだと思います。


・先行していたはずの標準入力方式のTI-30Xaは [EE]キーを持っており、当該のTI-30XSが[EE]キーを持たされなかった理由は不明.
・30XSの[10n]キーの挙動は不具合とは言えない.

TI の2行表示のいわゆる数式通り入力方式(現行品TI-30X ⅡS)を所有していないので、その経緯は私的には不明です.


改めて可能な範囲で調査してみました。
・Casioのナチュラル入力方式のfx-912ESは2006年06月には日本に存在した.
これは30XSのマニュアルと同時期.CasioUSA での発売時期は不明.
Casioの当方所有の最も古い機種fx-4500PA(2行表示の数式通り)では[10n]キーは現行品群と同じ挙動.(90年代初期に存在)


そもそも[10n]キーを括弧の省略可能な現行カシオ方式にしたのはCasio?

とすると,

30XSの[10n]キーが使いにくいと感じるのはCasioからの視点であり、必ずしも正しい評価とはいえないと私は考えます.

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