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2010年11月 5日 (金)

パイロット カスタム742 フォルカン 2 /『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』その18 パイロット編8

パイロット カスタム742 フォルカン 2 /『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』その18 パイロット編8
 私は急いでいた。

パイロットのフォルカンを買うにあたっては、出来る限り多くの在庫の中からベストの1本を選択すべく、某大型文具店へと急いだ。
 
 
(パイロットの万年筆の品質は一様に高いと思っている。しかし特殊ペン先の中でも、こと【やわらか】ペン先に関しては ばらつき の出る確率は高い。 と考えていた。)
 
 
所要時間に猶予は無い。購入するタイミングも今この時をおいて他に無い。
 いつもなら、アレコレ見てからおもむろにターゲットに近づいてゆくのだが、この時は目標エリアへと直行する。
 
販売員さんに目的のモノを全部出してもらってペン先のチェックを…
…ところが、在庫は展示品のこの1本しかない という。
 
【趣味文】で やわらかペン先の特集を組む前のハナシだが、すでに フォルカンの人気は相当上がってきていたようだ。
 
 
 気を取り直して、ペン先をルーペで拝見する。
 
…難点が2点見える。
 
…どうしたものか… コイツを慣らすには少々苦労するハズである。
 
 
 
 実は 写真で見るフォルカンのニブのカタチはあまり好きにはなれそうもなかった。書き心地が良ければ見映えはガマンしよう とさえ思っていた。
だが、写真で感じていた貧弱なニブのイメージは 目の前の実物のニブが一瞬で吹き飛ばしてしまった。
ペラペラで小振りなニブかと思っていたが、なかなかどうして迫力と重厚感さえ備えている。装飾のないその表情はかえってスゴみがある。まるで 鞘から抜いた【真剣】のようであった。
初見の印象は、上段者と竹刀を合わせた時のヒヤリとするあの感じにも似ていた。緊張感さえ漂っている。
 
…コイツはデキる…(汗)
 
 
 
 今回も 743 は外した。今の私には 742 で充分だ。742 FA が気に入ったら 743 にステップアップ というのがモノの道理というものだ。愉しみを先に残しておくのも悪くはない。
(本当に気に入ったら、ステップアップしない かもしれないが....)
 
 
 
 選択枝がニ択になった。私的には購入するならタイミングは 今しかない。
 
というワケで、今 手元にあるのが パイロット カスタム742 FA ニブ
 
ついでに品番
FKK-2000R-B-FA
 
 
ハッキリ書いてしまおう。
 
この個体の問題点のひとつは、ペン先に軽度のズレがある事。
 
 
…ナゼだか 私の手元にやってくるペン先ズレは 右上がりばかりのような気がする。
私の書きグセは左ひねり傾向なので、ペン先ズレは左上がりなら書き易い。
(ただし、描線は 与えられた設定より太めになる。)
 
ペン先の右上がり は 意識して右にひねっておかないとカスレるので、私の手元にやってくる【右上がり】達は、私の書きグセを矯正してくれるありがたい相棒達かもしれない。
 
 
 考え方によっては、書きながらペン先を治す為に
 
・少し右にひねって書き出して、
 
・書きながら 意識してわずかづつ左にひねり戻してゆく
 
ので、悪いクセがつく とも考えられるが…。
 
 
 
 相変わらず前置きが長いが、以下は 購入後約10ヶ月を経てのインプレッション。
 
 ちなみに、ペン先ズレはすでに治っている。ペンクリや自己ペン先調整は一切おこなっていない。
フォルカンはペン先がやわらかめなので治りやすい。

現在は、ほぼメーカーの意図したフォルカンになっているだろう。
 
 
 このペン先は、書く度にペン先の縦方向のしなりがとても心地よい。
ペン先の硬軟がどうのこうの というより、縦方向の大きな弾力が、ペンを持つ指先を介して脳内に快楽物質を生み出すらしい。
 
…これはハマると気持ち良い書き心地だ。
 
 
さらに、もっとナーバスかと思っていたが意外な事に、フォルカンは紙面を選ばない。(インクフローは良いので、紙面への滲みや裏抜けは別の話だ)
 
 
ただ一点、このペン先の苦手な場面は、小刻みに揺れる車内での筆記。コイツは苦手だ。小さな振動が【大きな弾力】をスポイルしてしまう。
 
 
 やわらかめのニブなので、インクフローは当然潤沢な設定。
使用しているパイロット純正のブルーブラックインクのフローの良さも手伝って インクフローは抜群。
文字の色は濃いめで、書いた文字の濃淡が美しい。
 
 フォルカンは縦書きの方が向いているかもしれない。横書きでは、どんなに修練を積んでも 私には筆のような筆致にはなりそうもない。
 
 
 
 使い始めは中字かと思うほど筆記線が太めだった。
(おそらく)本来の 細字 になってきたと感じるようになった頃にペン先をルーペで観察してみると、右上がりだったペン先は左右が綺麗に揃って並んでいた。
 
 
 
現行万年筆で、このような やわらか 大きな 縦方向の弾力 を指先で堪能できる貴重な1本。
この感触を味わうための投資は私にとって価値のあるものでした。
 
紡ぎ出される文字は、悪筆なれど味わい深い。 と 自己満足。
 
 
 
…パイロットさんには悪いが、当分743にステップアップする事はなさそうだ。

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