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2010年9月 1日 (水)

川口先生のペンクリニック レポート / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』シリーズその13 特別編

川口先生のペンクリニック レポート / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』シリーズその13 特別編

私の所有するセーラー プロフィット 21 が、川口スペシャル になりました。\(~o~)/
 
 
 
かねてから描線が不安定だった私の プロフィット 21 は線幅中字。
自分の使い方が悪いのか
それとも相性なのか?
はたまた個体の問題か?

はっきりせぬまま、使用頻度が落ちていきました。駆体はしっかりしているし、万年筆としての出来は非常に良い と思う。

しかしながら、いまハマっている2本の万年筆のうちの特性の違うもう1本(←こちらは未エントリ)を使えば使うほど、プロフィット21 の使用頻度は減る一方。。。
ついには その日のスタメンに入れても1行と書いていられないくらいにまで。

筆圧を少し掛けないとちゃんと書けない。
セーラーとしての現在の基本設定なのか? 個体差か?

インクフローだけは 書き続けても改善しない事は百も承知だ。無理とは思いつつ、それでも使い続ける事でなんとか自力で改善させたかったが、筆圧をわずかに掛け続ける事が苦痛になってしまった。
わずかづつでも筆圧を掛けて書き続けると、ペンポイントの内側が減ってゆくのか、筆圧を完全に抜くと(抜けるようになったという事か?)、ほとんどまともな描線にならなくなってしまった。ような気がする。(文字としては一応成立している。)

いつからか、件の 万年筆の自重だけで線が引ける評価テスト では、まともな描線にならなくなっていた。

キャップの気密度の高さには定評のあるセーラーの万年筆だが、使用頻度が落ちるので インクの粘度も高くなりがちに。

私はまだ完全に自分の筆記スタイルを確立したワケではなく 発展途上なのであります故に。。。(迷)
 
 
 
しかし、プロフィット 梨地 18K を復活させて使い始めて決断しました。

「川口先生に診ていただこう。」

その日まで、インクを洗浄して しばしの眠りについてもらおうと思っていた矢先に、セーラーの万年筆フェアと川口先生のペンクリニック開催中の情報が。

嬉しい事に、ちょうど日程が合う。v(^-^)v

というワケで、久しぶりに はるばる上京した。
 
 
 
 ペンクリニックには なるべく興味は持たぬようにしてきた。

・ペン先を抜く?

 工業製品としての万年筆のペン先を首軸から抜く事にはあまり賛成していない。

・ペンポイント研磨

 その万年筆に与えられた特徴を生かして、『なり』に使うのが好き。
創り手がどんな思いでその万年筆を送り出したのか想像しながら、どんな万年筆でもベストの使いこなしがサラリとできるようになりたいと思う。その方が自分のキャパシティも大きくなると思う。
万年筆の多少の【クセ】や【難】なら、その万年筆を使い続ける事で必ず自分の手に合ってくる。その愉しみをショートカットするつもりは ない。可能な限り自分で育てたい。
ただし、良くない万年筆で良くないクセがついてしまう事もある。賢明な判断は常に難題である。

・では、不調と思われる場合は?

 工業製品の 精巧にして絶妙なテクニックが必要な調整は、プロフェッショナルに委ねるべき というのが持論。
 ただし、趣味としてのペン先調整は各自の自由だし、性分としてはホントは自分でやってしまいたいくらい。
 だが金属加工は難しい。
パーツ交換や大抵の工業製品は可能な限り自分で修理もしているが、金属加工は苦手。
曲げた金属を綺麗に修正するのは、性に合わないのか うまくいったためしが ない。

ペン先調整といっても、やたらペン先を抜かれたり 技術者の好みに調整されるのは勘弁してほしいが、川口先生の調整はあまりペン先を抜かない事で有名。(必要ならためらわず 抜く)

かくして かねてからの懸案事項であった、私の セーラー プロフィット 21 は、やはりセーラーの川口先生に診ていただく事にした。
 
 
 
 スリットの締めすぎでインクフローが渋いのではないか。 と自己判断。
しかもこのレベルだと素人の自分が手を出すのはリスクが高すぎる。

もし 川口先生が 私のプロフィット21のペン先を抜いたなら、私の判断は正しかった事になる。 かな。
 
 
 
 当日の受付助手さん(川口先生の助手さん? )は まだうら若き女性でありました。
ペンクリニック開催文具店の販売員さんではない。

あなどるなかれ 若いながらも その手にするルーペには、使い込んだ証しである指の当り所に痕跡がしっかりと。

彼女もプロフェッショナルなのだ。

相当使い込んでいる様子。

ちなみに、川口先生と同じサイズのエッシェンバッハの12倍か?
 
 
 
まず、彼女の予備診断から。

受付票にサインを求められる。
さすがはセーラー万年筆のペンクリニック。万年筆でサインを求められる。
プロフィット 21 の細字。
インクはブルーブラックか? 渋めの色味は受付票がザラ紙だからか?(筆者注 セーラーのブルーだったようです。使った事がないので推測です。)

彼女が私から話しを聞き、ルーペでペン先を観察する。
次いで超音波洗浄器でチョイとペン先を洗浄して(ペン先のインクかすと汚れを落とす程度)
布で拭う。

私の前の御婦人は、御主人のセーラーの万年筆を持ち込んでいた。
インクが出ないそうで、川口先生はルーペでペン先を観察したあと、(自重筆記テストが先だったか?)そのペン先を シュパッ と抜いた。

…ペン体は意外に長いのね。首軸にその半分くらいまで挿し込まれてるのだね…

隙間ゲージ的なモノで ガリガリ とペン芯をクリーニング。
ペン体とペン芯の両方をよく観察して合わせて首軸に挿し込む。

左手の親指の腹に 裏返した万年筆のペン先を固定して、右手に持った粗めの水ペーパーでペンポイントをジョリジョリする。(良い子は決してマネしないように)
意外に荒ワザのような気がする。

…万年筆って案外丈夫なのだな と感心する…

ボトルインクにペン先を浸してインクを着け、これも粗めの机上の水ペーパーでスリスリする。

このスリスリが何気なく簡単そうで実は難しいのだろうね。川口先生はいったい何万本をスリスリして来られたのだろう。
スリスリしながら、その連続した動きの中でペン先を滑らかにクルリとひっくり返す。ペン先のオモテ先端部もスリスリ。

この スリスリ の時に、川口先生はペン先から視線を外される。

…右指先の感覚と右手の動きは熟練の完成された動きで、むしろペン先を見続けたらリズムが乱れるのかもしれない。
傍目にはよそ見にさえ見えるかもしれないが、この工程ではいつも視線を外されるようだ。

 ちなみに、人間のフォームと視線の持っていき方は大事。
川口先生の スリスリ が、主に指頭感覚で行なわれており、そのフォームが完成している と僭越ながら仮定すれば、
もし川口先生が 視線をいつもは向けない手元 に向けると、

・視線を落とす事で頸椎が前屈し

・上半身は前屈またはわずかに後方へ移動する

・右肩から上腕のアングルが変化して

・スリスリ の筆記角度が変化して…

というワケで、川口先生といえども、ベストのパフォーマンスを発揮出来ない。 …かもしれない。 と妄想したり。

 さて、川口先生はペン先をルーペで観察して、テスト用紙(これもザラ紙)に縦縦横横と直線を描き、独特のヨコ8の字(コレが芸術的に美しいのだ。)を何度も描く。

「これでインクを入れて書いてみて。」

また書けなくなった時のお手入れは、「水道水に一晩漬けておけば良いです。」

という事で、おしまい。
 
 
 
そして私の番が。
私は、「Mにしては線が細いのではないでしょうか」
と お伝えした。

「ん?」と言われた(ような気がした)先生は、ルーペでペン先を観察してから例のテスト。

ほとんど書けなくなっていた。

先生は、私のプロフィット21のペン先を 抜いた。

スポンと抜く時に同時にかすかに「ピリリリリッ」という音が。櫛(クシ)を爪の先でハジいてゆく様な音。
クシフィンとはよく言ったものだ。ペン芯のフィンが鳴っている。

…あぁっ という感じ。(声には出さないが。) 軽いショック と 裏腹な喜び と…

私の判断は間違っていなかったようだ。川口先生に診ていただいて良かった。これで川口スペシャルとして甦る。

さて、川口先生はペン芯をも外したペン体をルーペで観察し、 な なんとっ 小さくて細いラジオペンチ的な工具を取り出してペン体を挟む。

…そ そこを挟むのですか 先生っ…(←声には出していない。)

川口先生はペンチのグリップにシュッと力を入れる。
一発でキメる。
川口先生のペンクリニック レポート / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』シリーズその13 特別編

この工程は予想だにしなかったが、この工程は必ず一発でキメなければならない。これは自分でどうにかできるような状態ではなかった という事だ。

先生は、ルーペでペン体を観察してから(念のため一応確認したに過ぎないのだろうね。)、ペン芯と合わせて首軸に挿し込む。
先程同様スリスリして、(やはり視線は外されている)

「これで書いてみて。」と。

私は敬意をこめて、一礼しながら 両の手で拝受した。

私は ザラ紙のテスト用紙にペン先を下ろした。
「おおっっ」と口をついて感嘆の声が出た。

そして 次に出てきた言葉は、

「ありがとうございました。」

だった。

「どんどん使って下さい。」と川口先生。

私は その言葉の意味も理解したつもりです。

ピカピカに鏡面仕上げになっていたペンポイントに川口先生が手を入れた事である状態が起こっています。
長くなったので、また次の稿に。

2011年05月15日 加筆修正

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コメント

初めてでしたか?
書けるようになって良かったですね。
たまーにですが、クリニックで見てもらった直後は良いのですが、
家に帰ってから、あれ?ひっかかるようになった~なんてことも
あったりします(^^;
まあ、私的には常連さんみたいになっちゃってるので、色々と
裏情報を教えてもらったり。
先生が、お客が切れるまで待っててとか待たされたりw。

面白いのが、川口先生に見てもらった万年筆(パイロット)を
パイロットのクリニックで見せると、これ私がやったのではない
ですね。
と一発でばれます(^^;

 川口先生のテクニックは本当に素晴らしいです。ペンクリ直後とその後の経過は近々レポしますね。
 ZEAK様のような常連さんの裏情報は 是非ともじゃんじゃんリークして下さいませね。
みんなで共有しましょう。( ̄▽ ̄)V
 ところで、バレたのは確か広沢先生に だったかしら?バレた経緯は読んでいますよ。
そりゃバレますよね。研ぎ方もペーパーも違うし。
セーラーはおおらかだしパイロットは慎重。
流石 人柱 勉強になります。φ(..)メモメモ

インクがペン先から紙面に移り、紙に浸透してゆくまでの一瞬に新鮮で美しい青がちらりと見えた。セーラーBBKにあらず。
本文を書きながら違和感があった。
ボトルは確かジェントルだったが純正のブルー?それとも中身はペリ4001RB?まさかね。

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