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2010年3月26日 (金)

カスタム 742 ウェーバリー / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』シリーズその7 パイロット編3

カスタム 742 ウェーバリー / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』シリーズその3 パイロット編3
パイロットの カスタムシリーズ には特殊なペン先がある。
標準では742と743に設定されている。

トップ画像はウェーバリーのペン先
ペン先の反り返ったカタチが特徴。

私的には ラインナップに細字以上のペン先で、不安定な筆記面でも対応できる中字幅位の万年筆が欲しいところでした。
(74のSMニブがあるけどね。ここが頂点なのだろうか。ひとクラス上のウェーバリーと比較してみたかったのだよ。もう少し細めの中字にも期待。)

国産万年筆の細字レベルは かなりの万能選手であります。

小さいスペースの書き込みは当然として
大きなスペースには大きな文字で書けば良いのだ。
(これが意外に難しい。極細や細字だと つい ちまちまと書き込んでしまう。)

立てたり寝かせたり、左右の傾きの許容範囲も広いモノが多い。

特にプラチナの #3776 はそういった状況にも滅法強い。
さらに 書き出しや途中での文字の『一画』を書き損じる事もないです。
非常に良く出来ています。

しかし万能選手に近い 細字 のペン先も紙を選びます。引っかかりも起きやすく(←配布されたコピー用紙とか もう少し高級なコート紙とか。削っちゃいます。)
殴り書きも出来ない。(←良い子は万年筆で殴り書きはしない。)

しっかりとした中字くらいのペン先の万年筆で 仕事の必要事項を一気に書き記す。
時には相手の一言一句を漏らさないように。
時には浮かんでくる思考を漏らさず書き記す。

聞き取りながら、キーワードが前後する。
思考のアウトプットは 私の頭からは残念な事にきちんと順番通りに出て来てはくれない。

あちこちに散らかった単語や文章の順番を整える為に矢印を使い、線でつなぐ。結ぶ。
丸や四角で囲み、アンダーラインで強調する。

マインド マップ的な表記法は誰でも自然に使っているだろう。

速書きや矢印は、運筆を無視する。万年筆は運筆を重視する筆記具。

今のところ 極細や細字以外で私の理想的な筆記速度と筆記感覚に最も近い万年筆が パイロット カスタム74のSMニブだ。
と 思うのだが、しかしながら、こんな要求に答えてくれるペン先がパイロットのウェーバリーではないのか。
試してみたい。

で、購入。

店頭の試し書きでわかるのは、自分にフィットするかどうかくらい。
(写真と実物がずいぶん違うのはよくある)
自分の本当に求める万年筆かどうか、試し書きで全て判るくらいならすでに相当な達人の領域だろう

と思うので、まずは購入。

自分のフィールドでしばらく使っての感想は、

意外に硬い。

試し書きでのファーストタッチの印象はやはりいつも正しい。

パイロットは『やわらかめの中字』と位置づけているが、私にとっては やわらかい といえるシロモノではない。

長所として 乱れない筆記線は非常に素晴らしい。
ノートの紙面がが盛り上がっていようが、お構いなしだ。
コクヨさんの「文庫本ノート」を無理に二つ折りにしたノド元付近でも問題なしだ。
左右にひねりながらのの筆記線も安定している。

これは驚くべきワイドな筆記角。

はじめは、これは初心者向けに良いのではないか と思った。こんなにも書きやすく、ほとんど慣らしも要らないくらいなら 万年筆初心者にとって好都合ではないか。
しかし このウェーバリーを初心者向けに設定しないのがパイロットの良心らしい。

あまりにペン先の自由度が高すぎて、正しい万年筆の使い方を身につけられない可能性が高い。

万年筆には、少々の知識や作法が必要ではある。それらを経験してこそ万年筆の愉しみや奥深さが解り、万年筆文化の発展へとつながる。
パイロット は そう考え、このウェーバリーを中級以上の設定とし、とりあえずお試し的なポジションともいえる カスタム74 には設定しなかった と私は考える。
パイロットは ミュージック・ニブなどの特殊ペン先を+α価格で カスタム74 に設定している。
ウェーバリーの5号ニブ(←カスタム74のニブのサイズ)が、切り割りを2本持つミュージック・ニブより製造が難しいとも思えない。

パイロットのペンポイントは非常に硬く、自分だけの筆記角に育つには3年位かかる という説がある。

あまりにも広いスィートスポットのために、ベストの状態になるには相当の年月がかかりそうな気がしていたが、その時は意外に早くやって来た。

硬めのペン先につられて、筆圧が上がっていたようだ。

ある日 ふと もっと軽く と。
今までの愛用の万年筆達と同じように 軽くやわらかく書いてみたら、全く違う筆記感になった。

一段脱け出た感じ。

これからますます良くなってゆきそうだ。

ところで、パイロットの万年筆は私の悪筆が そのまま出る。

プラチナやセーラーの万年筆との大きな違い。

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