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2009年11月 8日 (日)

セーラー プロフィット21 / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』 シリーズ1

セーラー プロフィット21 / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』
セーラー プロフィット21 / 『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』
『日本を代表する3社のどの万年筆を選ぶか』

細字愛用者から見たその他のペン種

〜セーラー編〜

私の使用環境は万年筆にとっては少々過酷でありましょう。

始業開始直後からいきなり忙しさのピークを迎える。

仕事の記録は、クリップボードに極太のボールペンでグリグリと殴り書きも良い(ストレス発散も出来ますし....)ですが、そうもゆかず。
立ったまま記録用ノートに万年筆で書いている。
しかしながら、愛用する少々レトロでペン先が柔かめの万年筆では 筆圧のコントロールに気を使う。筆圧を上げたくないのだが私の脈拍は数時間に渡って90を超えたままだ。(今度 血圧も測ってみよう....。)

そんな昨今、午前中に使用頻度がダントツなのがコレ

セーラー プロフィット21 M字

使用インクは純正の黒。

キングじゃないのでプロフィットの二番目に大きいやつ。プロフィットスタンダードから順番に握らせてもらったら3番目に大きいコレが一番良かったので。大型のペン先は最大のキングプロフィットの下のサイズかな。
(セーラーの万年筆にはあまり縁がなかったので詳しくはないです。それだけにかえって新鮮なレポが書けるのではと思っています。)

スタンダードなバランス型の駆体。セーラーの定番にして主軸となるペン先を持っています。セーラーがどういった万年筆を創ろうと考えているかを知るには良い素材だと考えます。

長所は
●クリップの出来栄え
●軸の素材と強度
●回転式のキャップ
●ペン先の見た目の満足感
●ほとんどの人の筆圧をしなやかに受け止めるペン先

近年のセーラーの万年筆に対する私のイメージは『ペン先補助軸』的な感じ。悪意はないです。21Kのペン先に24K鍍金をしてしまうという世界にも類をみないペン先があまりにスペシフィックなのでそんなイメージでした。

●クリップの出来栄え

ワイシャツ程度の生地の左胸ポケットに筆記具を収める私にとって、ペンのクリップは非常に重要です。
文句なしに合格点。

●軸の素材と強度

アクリル系の樹脂の駆体はキズに強く、思いの外 安心して日常使いができます。もっと繊細だと思っていました。ここまで丈夫で気を遣わずに安心して使えるとは思っていませんでした。

●回転式のキャップ

立ち仕事が多く片手には記録用のノートを持っているので、ずっとクリックストップ式の万年筆を愛用してきました。
しかし最近では首軸とペン先に気を遣いながら慎重にキャップを外す(←意外に難しい)よりも 回転式のキャップの方が使い易いように感じます。クリックストップ式のキャップと比較して回転式のキャップを外すタイムロスはほとんどないですね。実際に使い込んでみると。
キャップのネジの精度と強度は充分なようです。
ペン先保護の観点からも、首軸にも優しく、この万年筆の寿命は相当長いかもしれないと感じます。
(私はこれまで万年筆を一本も潰した事はありませんよ。どれも大切に使っています。)

●ペン先の見た目の満足感

万年筆のペン先は、筆記しながらその視界に捉えて独り悦に入る愉しみがあります。ペン先のデザインが好きになれない万年筆を所有する気にはならないですね。
このペン先ならば所有者の満足感を満たすのに充分な質感であります。

●ほとんどの人の筆圧をしなやかに受け止めるペン先

次のインクフローともつながってきますが、万人向けのセッティング。まぁ当然といえば当然ですが。ごくわずかに筆圧を掛けた方が良いようです。人差し指の位置をわずかに変える程度の。
ペン先は硬くもなく必要以上に軟らか過ぎる事もない。快適な書き心地を常に提供してくれます。
筆圧が上がってもそのままでも変わらない書き心地。常に一定レベル。こういったペン先のタッチは他にはないかも。
この特別なペン先の快適な書き心地は多くの人が共通して同じように感じるでしょう。高いレベルでそれを実現しています。
筆圧を上げてもペン先は開かず、筆記線をほぼ一定の字幅に維持してくれます。

欠点として
●インクフローがやや渋い。
●筆記線が思ったより細い。
●横線の早い筆記についてこられない。
●スィートスポットが、やや手前寄り。

これらは重大な問題です。

●インクフローがやや渋い。

固体差も当然あるでしょうが、私にはインクフローがもう少し欲しいところ。好みが分かれるところですが、私の仕事中の筆記スピードにはついてこられない。日本語を綺麗に書かせる為にフローを意図して絞っているようです。
ハート穴からペンポイントまでスリットが一定の割合で締まってゆくのではなく、ペンポイントの手前で一度締めてあります。ここでインクフローを絞ったと考えられます。
潤沢なインクフローで軽いタッチでサラサラッと書きたい人には不向き。
私はインクは純正派ですので かなり悩んだ末、別メーカーの軽い感じの黒インクに変えて暫く使用しておりました(←インクの粘度が低ければフローが良くなるとは限らないですが)。
(パイロットのブルーブラックを使えばフローは満足のできるレベルまで改善出来た可能性もありましたが、この万年筆は黒インク用に用意したものなので、その手は使えない。テストの為にインクの色をやたらに変えたくはないし。この稿は、黒インク使用が前提になります。)

インクフローは少し改善しましたが、製作サイドの意図を考えるとそうではないような気が。
セーラーのやや粘度高めの色味のしっかりとした黒インクで感覚的な筆記スピードが速いので描線を表現するのに充分である と。
(一時期 別の案件でグレーインクをあれこれ使っていました。グレーの様に薄目のインクは、紙表面に付いた瞬間に色が見えづらく、一旦紙面に吸い込まれながら徐々に色彩を放ちます。早い筆記スピードには不向きな色です。色が一瞬見えないので、筆圧が上がってしまいます。
従って私の使ったサラッとした濃淡の表現しやすい黒インクはフローが改善されても、色味の濃い黒インクより見かけ上の筆記スピードがやや遅くなります。差し引き変わらず といったところでしょうか)
で、純正の黒インクに戻しました。インクが純正でなければ正当な評価にはならないですし。

●横線の早い筆記についてこられない。

シャッと横に走らせるとかすれます。まぁこれに強い万年筆には滅多にお目にかかれませんが。
これはインクフローとペンポイントの形状によるところが大きいようです。

●筆記線が思ったより細い。

セーラーのMニブってこんなに細かったっけ って感じです。私の場合はBニブを選択すべきだったかもしれませんね。
Bニブも使ってみたかったですが、そこに無かったのです。Bニブが。
まぁこれも出会いですから。

●スィートスポットが、やや手前寄り。

前項ともつながって、ペンポイントのお話し。
セーラーのペンポイントの形状は異質です。特殊ペン先や長刀研ぎの事ではありません。ノーマルMニブでさえです。
私はプラチナの極細や細字を長く使っております。もし横線がかすれたなら、その上にもう一度正確に横線を引く事が出来ます。パイロット然り。しかしこのセーラーのプロフィット21のMニブでは、横線が自分の意図より下にズレてしまいます。これが他の万年筆では感じなかった違和感。

ペン先をルーペで覗いてみると....
いろんな事が判ってきます。
ペンポイントの先端は鋭角で
スィートスポットはいわゆる『丸研ぎ』傾向

Mニブでも描線が細いワケですね。
ペンポイントのスィートスポットを丸く研ぐのは筆記角が安定しない人.初心者または広く万人向けでしょうか。
長く使い込むと描線は太くなるでしょう。…いやはや どのくらいかかるかしら。

スィートスポットの位置ですが、パイロット、プラチナは先端のやや下方にあります。
このセーラーのプロフィット21のMニブは、先端から少し手前の下方にあります。これが私が初めに感じた違和感の理由ですね。初めにここから入っていれば感じる事のなかった違和感。慣れれば問題ないポイントですが。
ペンポイントの先端を鋭角にしてスィートスポットをやや手前に持ってくるさまは、まるでプチ長刀。いつ頃からこうなのかはわかりません。伝統的にこうなのか近年あまりにも有名になった長刀研ぎの影響なのか。

●総合評価●
広く万人におすすめです。このペン先は世界最高峰レベルでしょう。コストパフォーマンスも良いです。
但し、殴り書きのように早い筆記や、図形や略語や記号化した文字を大きく筆記したり、直感的に矢印や傍線を引くのには向いていません。インクフローは永く使い込んでも潤沢になったりはしません。
無作為に選んだ1本での抜き打ちテストですが、固体差はあっても、製品全般に及ぶ傾向は同じでしょう。

私はこのコに合わせて、文字を小さめに書いて、自分の欲しいだけのインクフローを得るように調節しています。(←あくまで自分比)

この稿の最後に

私は現在 午前中にはずっとこの万年筆を愛用しております。

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コメント

追記

あくまで、立位・ノート片手持ち での話です。
座位・ノート机上では、インクフローは手持ちより一段良いです。
(通常の万年筆使用環境は 当然こちらでしょうね。)

しかも さらに条件の良くない事に、記録ノートは

LiFE
EXPERT CLASS
SECTION
A5

です。(通常は机上使用でしょうから、好評価でしょうが。。。)
サイズは良いのですが オモテ・ウラとも表紙が柔らかく、せっかくのリングノートなのに、
手持ちには向いていません。使用条件を誤っているのは 私であります。
書き味も滑らかに、万年筆のインクの描線をキュッと引き締めます。(←人によっては好評価でしょう。)
これも インクフローの評価が下がった原因かもしれません。

…インクを ぎゅっ と引き出す紙を求め中。

私の最も慣れたノートは、マルマンのリブレット(表紙というか まるで『装丁』がしっかりしていて 手持ち筆記に適しています。)
なのですが 最近入手困難で。本来ならば『リブレット』で評価するところなのですが....。
やむなく次期 主力リングノート選考中でもあります。

『装丁しっかり』のリングノートは、ライフなら『シンフォニー』が該当していますが、
通常業務の記録用には 価格が痛い。 のと、人前では やや やり過ぎ 感が。


現在の自分の万年筆の描線に求める好みは、少し滲むようなイメージ。
一般的に好まれない『裏抜け』すらも、『うっすら裏抜け』程度が びっしり使い込んでいる感 があって、好きだったりします。
これも一般的ではないかもしれません。


インクフローが気になる私のレポは、先の展開が読めますね。

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